JA2EZD Wandering World Tour
(復活版 JUL .2007:原版 CQ Ham rdio1989年7月号〜)
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| 連載 G オジさんたちのカリブ海 FS-J8 |
カリブ海の光と影
今年(1990)の冬休みは3Y(南極海のピター1世島)に代表されるような大型DXペディションで楽しまれたと思います。 目的と性格が全然違いますが私のカリブの旅もそんなJAの皆様の楽しみの一つに数えてもらったのなら幸せに思います。
12月からの私の旅はちょうど本誌の記事とQRVの場所が同じで、読者の皆様も本を読みながらカリブの情景を浮かべながら私とQSOしていただきたいと思います。
ところでJA7(東北)の局とQSOした時、私が物価の安いカリブの国々でずいぶん気楽な旅をしている様に信じておりましたので、あえて今月はここに実況報告 「カリブ海の光と影。」をお送り致します。 カリブの旅の実情を理解していただいて、今後のカリブ旅行にご協力いただけたら幸いと思います。
これはセント・マーチンオランダ側(PJ)の町フリスバーグ、観光客向けの綺麗なお土産屋が並ぶ、が90%は中国製品。
K4PI.JA7RHJ
WWコンテスト(私はVP2EZDでQRV)の為にカリブヘ来た友人のFS/JA7RHJをジュリアナ空港から日本へ送り出した後、私はまた船でVP2E(アンギラ島)へ渡り今後のカリブのベースにすべきVP2EBのDr.Louisを訪ねたのです。 彼の家にアンテナ・タワーを建てる話はちょうどクリスマスで彼の家族がボストンから来るので彼の家でお邪魔虫に成るわけには行かず宿を探すことになりました。
しかし、クリスマスはカリブ海は稼ぎ時いわゆるハイシーズンです。ホテルと飛行機料金は一気に2倍になります。5月とWWで使ったレンタルハウスは一泊$220です。 ハネムーンで無ければとても泊まれません。やはり不本意ながらハムの家に厄介になるしかありません。費用は安いのですが精神的には気を使いますが・・
そこで昨年泊めてもらったFM5EB(exFM4EB)に事情を話して1週間ほど滞在OKの許可をもらいました。 またFGも「田舎でかまわない」との条件で安い宿を探してもらおうと思ったのですが、FG5BGが彼の家に泊まって良いとの事で、結局この二人の行為に甘えることになりました。・・・これがきっかけでFGにDXshackを作る事になった。
K4PI- JH7RHJ(ジュリアナ空港にて)
実はこの旅立ちの前にPJ7A(オランダ側セントマーチン)アンテナの整備中クランクアップタワーが突然落下してその勢いでハンドが受けて手の甲を直撃して1cm程晴れ上がって手が握れなくなりました。
この後訪ねて2局とも設備は既にある訳ですから、アンテナも上げずに済んだのは不幸中の幸いでした。 いつものようにアンテナ工事から創めていたら2週間はQRV(運用)はできなかったでしょう。
結果としてクリスマスはFG (グアダルーペ島)でお正月はFM(マルティニーク島)で過ごすことになりました。 この2局は予定していたのですがまだ日本へ帰るのは早いかな? と思っていたらQSOしたJ88AQ、Billからセントビンセント島/St.Vinsentへ来ないか?とのお誘いがありました。ホテルも免許も問題ない、との事で急遽J8/セントビンセント島行きを決めたのです。

こんな小型機が島と島を飛んでいる。 サバ島 路線
ところがFMの空港に来てみると予約してあったAir Marutigueのはセスナ(これも商品ですね。)の様な小型機、2mの長さを超える私のアンテナは搭載できないとの事。(この会社はAir Franceの子会社で他の路線はジェット機を飛ばしているので、私はてっきりジェット機だと思っていた。) 結局翌日は発のLIAT(Aに路線図掲載)に変更せざるを得なくなりました。 これは空港までのTAXI 代金余分の1泊ホテル料金を失いことになります。
この様な小型機の話はVP2Vへ行ったOM に聞いた事があるので驚きはしなかったのですが、貧乏人には1日の無駄な金を払うのが残念なのです。
なおこのLIATはアンティグア島に本社がある英国系の航空会社なので主に英国領土を飛びます。仏領を避けて飛ぶルートを取るので結果的に直線に飛びません。FM(マルティニーク)
-J6(セント・ルーシア)-8P(バルバドス)-J8(セント・ビンセント)と3角に飛びます。
やはり領土と上空権、以遠権の問題なのでしょう。 飛行機の飛行ルートは非常に政治性を帯びるので、この辺が国の主権が複雑に絡んでいるところがカリブのカリブらしいところで面白いところです。
黒い砂浜、青い海 /セント・ビンセント・J8
セントビンセント島/St.Vinsentは/J8は火山島です、(最近では1979年に噴火した。)従って読書の皆さんが思うカリブの島「白い砂浜、青い海」の白い砂浜の部分はこの島にはありません。砂の大部分は噴火で解けた溶岩が砂になった黒い砂浜です。もち論平野は限られており斜面にへばりつくように住民の家があります。

J88AQ Billが手配してくれたホテルはGround Viewと言う名のとおりすばらしいロケーションです、勝手の支配者英国の香りを残した伝統的な建物で非常に落ち着いたホテルでした。一人なので心休まりかなり疲れが取れたことは確かです。またBillが事前に話してくれたこともありアンテナはどこの場所でもOK
でした。
到着が金曜日なので休み目にと早速役所へ行きアマチュア無線の免許をもらったのですが、ここでは昔ながらのJA2EZD/J8と言うコールサインというのが正式です、BillがJ8/JA2EZDではいけないのか? ITU
(国際通信連盟)でもそう勧告が出ているが?と聞くと「It is my idea」との返事、ただCWのコンテストには特別のコールを発行するとか。
この後Billのシャック(無線室)からQRVするのですが、物凄いパイルアップ(一度に多数の局に呼ばれること)200局ほどQSO しても一向に減りま
J88AQ Bill. この後癌で死去。
ついに「J8初めての人だけ呼んでください。」とそれでもまだまだ減りません、300局ほ位やったところでJAが弱くなってきました、多分1stJ8の人の多くはビッグな設備ではなく今までチャンスが無かったのでしょう、それだけに彼らの信号は概ねノイズレベルスレスレ同等です。こちらもそんな弱い局にこそニューカントリーを! と頑張るのですがやはり1局1局のピックアップに非常に疲れを感じるのです。 それと旅の疲れも出てきたのか300局ほどやたっところで疲労のピーク、まだ呼んでいる局もいたのですが、初めての家にこれ以上の長居もできず、J8の1日目はここでQRT(運用停止)しました。

ホテルの屋上のANT。
次の日いBillが島にカナダ人のハムが来ている、と紹介されたのがVE3CPUのJoe私は彼が有名なDXer(海外交信愛好家)とは知らなかったのですが、彼は「日本のJR1RCQの友達だ!」と言うので、「どうして?」と聞いたら「メリッシュリーフへ一緒に行った。」との事。
「Oh、髭のいまや世界的大DXペディショナーの・・」確かCover of Magazineに成っていたっけ、今度はブータンへ行くとか? そういえばその写真にカナダの国旗もあっったような? とまーそこはハムの事初めて会っても話が弾みます。
しかし、彼のレンタルハウスは私が崖の上なら彼はその下のビーチ、普通の人ならこれで構わないが無線には私の崖がJA方向には邪魔になるはず、でも彼は既に3,000局QSOしたけどJAは4局のみ、とのこと「Hirooのホテルは最高のロケーションだけど、でも高くてね。」

VE3CPU Joeの指差す丘の上が私のホテル。
よく見ると砂浜が白くない。

ホテルを反対側から見るとロケーションの良さが分かる。

ホテルの私J8/JA2EZDの部屋から見るカリブ海。
私はホテルに戻りアンテナを組み立てたのですが店は土曜日ですべて休みでマストが入手できず、仕方なく組み立て後1mの手すりの上に乗せて置いたら、何とこれでもJA2GZV
と21MHzで56-51でQSOができてしまった、流石にロケーションの威力は凄い。
月曜になったのでレンタカーを借りた。 (1日US$40、保険$20、税金$10)Bill の紹介でここに北野建設が日本の無償援助で作っていると言うFishermans Marketを作っているというので工事現場に柏野氏を訪ねた。 彼の話だと「昨年この島を訪れた日本人は5人、トヨタ、日産、いすゞ、のセールスマン、と建設と漁業のコンサルタント、日本人の観光客なんて初めてではないかな?でもこんなところに無線をやりに来るなんて信じられない!」とビックリしていました。
私はその後アンテナ用に足場用のパイプ、電線を分けてもらい非常に助かった。この現場にあるものはハムには宝の山、Joeもおすそ分けに預かり彼のバーチカル・アンテナを高くすることができ21MHzでJAから呼ばれる様に成ったのです。
これで私のアンテナをホテルのや屋根4m程に上げることができ、FB(素晴らしい)ロケーションと相まってまずまずの飛び。 この後は昼間はJoeとハムの話に花を咲かせ、同じハウスの英国女性と国際親善・・・このときJoeが「この夏はカナダの沖合いの島セーブル島へ行こう。」、と提案される。
このセントビンセントは物価も安く、そんなに物騒なでもない、適当に小さく緑も多い・・・んんお気に入りの島のひとつになりそうだ。
しかしこの時点でもハイバンドのJAのパイルは続くし7MHzのリクエストもある、しかしカリブからの7MHzとなると、JAとは並みの努力ではQSOできない、もちろんBillの設備ならできるかもしれないが、現地時間の朝の5時半からシャックを貸してくれとは言えない、そんなことをしている内に1週間が経ってしまった。 どうするべきか? またもハムレットの心境になてしまった。

←ホテル屋上のアンテナとカリブ海に沈む夕日。
Hへ続く。