JA2EZD Wandering World Tour
(復活版 JUL .2007:原版 CQ Ham rdio1989年7月号~)


rev:15Mar.2012

連載 ⑫

オジさんたちのカリブ海

 FM
 


カリブ庶民の生活は?
                                                                                      
            


 
 マルティニーク/FM




マルティニーク(Martinique)はカリブ海に浮かぶ西インド諸島のなかのウィンドワード諸島に属する一島。 ...
「世界で最も美しい場所」とコロンブスに呼ばしめ、彼を魅了したのはマルティニーク島。



 FM4EB/ドミニクの家は決して金持ちではありません。彼の仕事はサウンド・エンジニアー(ミキサー)です。
家族は奥さんと瞳の大きな娘ダニエラ・4歳と彼のお母さんです。 家は6畳くらいのベッドルームが2部屋、台所、バスルーム、それに無線室/シャックが3畳位です。
日本と余り変わらない家です、ですから私はシャクへベッドを持ち込んでご厄介になった訳です。だから好きな時間に無線が出来たのですが、トロピカルな家の作りとは風通しを良く作って有るので部屋の機密性が無いのである。 すなわち音声を出すSSBの運用がやりにくいということを意味する。 特に7MHzは現地の朝5時30分ころかア開けるので居候としては非常に運用しずらい状況となる。

 ただ食事は毎日ドミニクの母が作ってくれるし、主食はご飯が出るし嬉しかった、 味は少し辛めだが、私はボルツの7倍カレーも食べれるので全然l気にならなかった。またデザートのマンゴーがとても気に入った、と言ったら毎日朝捥ぎに行って出してくれ、最後は自家製のリキュールマンゴー酒をお土産に持たしてくれた。

 タダドミニク以外はフランス語しか話せない、私はフランス語が出来ないのでお礼が十分言えないのがとても悲しかった。
 こういうところは英語は生活言語でフランス語、スペイン語標準装備のJH1VRQなら天国では無いかと思ってしまった。

 FMでは(多分フランス全土)アマチュア無線の免許を取っても3年以上経たないと上級になれない、上級になるとコールサインがFM5EBに変わりリニアAMP使用も認められる。

★ おっせっかいNOTE

 本当にこういうところで各国の考え方の違いが良く分かる。 UA(ロシア)の様にSWL(受信専門局)の経験を要するところもあるし、JAの様に試験さえ通れば経験なんか無くても明日からでも500Wで運用できるのでは根本的思想が違う。




FM4EB shack.



FM4EBのアンテナ KT34X


10Wでカリブは出来るか?
 彼のところにリニアが無いのは納得したが、同時にキーが全く無い。それ故JAからのCW (電信)のリクエストの時はローカルから借りてきてもらってやっとQRVした。
 でもそんな具合だから彼のTS440 には高価なCWフィルター無くJAのドグパイルにはCWの得意でない私は非常に苦労した。

 でも毎日100局以上JAとQSO(交信)するのでFM のローカルの話題の人物になってしまった。 当然だろう! 彼らが5年掛けてQSOする数をたった1日でやってしまったのだから。

 しかしFM5DNに「HirooがやっているJAが聞こえない。」と言われた。

むかしJK1OPL先生がBY(中国)から運用した経験で、「JAには500W ,100W,10Wの3つの山が有る。」と言っていたが、初めはこの500W局を相手にしているから信号は強いので楽である、ところが数日たち呼んでくるのが100W以下になると、QSO が苦しみに変わってくるのです。 当然の事ながら彼らの信号はSなんか振らない豆粒みたいな信号を丹念に拾うことになる。(まさに拾う、と言う言葉がピッタリだ!)


 しかし普通はカリブとQSOしたいほうがやりたい一心でパワーをドンドン入れてくるのでそれまで待っていれば良い、だから弱い信号を拾い上げる必要など無い。 結果として経験不足で極東から来る10Wのヒョロヒョロ電波など彼らには拾えない、のだと思う。





Hiroo at FM5CD。


FM5CDのクランクアップタワー+アンテナ。
輸入+建設で150万かかった。

 島の家族
の絆

 日曜日の夕方、ドミニクが「今日は親戚のところでディナーパーティーが有るから一緒に出かけよう、実は土、日にあり食事をしながらおしゃべりをして親類の絆を深めるのだ、狭い島なのでそうやって助け合って生きて行くのさ、昨日はHirooが余りにも無線に夢中になっていたので声を掛けれなかったのだよ、でも私の家にジャポネが来ていることは皆知っているので、だから極東の客人を連れて来い、といわれているのさ。」 私は即座に「もちろん。」と返事をした。
 拒否する理由がありません、実は私はサイパン島でも同じ経験をしたことが有るのです。

 トロピカルの島の生活というものは何処でも似てくるものなのですね。
親類で助け会う。。これは我が日本でも昔は確かにあった良き風習かも知れません。 こんなカリブ海でふと極東の日本を思い出しました。



FM4EB の娘と息子(最初の旅から10年後の姿)
  歴史の町フォート・デ・フランス

 
ここマルティニークカリブにフランス海外県の中心の島だと自他共に認めるような近代的な装いの島です。 町も人口が20万を超え(島全体で346,000人。1990年)従って都市に有る大型デパート、ディスコ、マクドナルド、から1時間写真まで何でもあります。

 しかし多くのカリブの島が抱える問題はここにもあります。 他の例に漏れずここも17-18世紀のフランスの海外侵略政策で出来た都市の形をそのままのこしています。道路は石畳で出来ていて情緒は有るのですが、道幅は狭くおまけに駐車の車でその道路の半分は死んでいます。車社会が短期間で急速に発達して都市機能がそれに追いついていないのです。 日中の市内はものすごいラッシュです。身動きが取れないときがあります。

 タダFM,FG で流石だ、と思ったのはあの日の出の勢いの日本車が少ないことです。勿論本国同様の総量規制が独立国では無いのでここにも適用されているかも知れませんが、日本への輸入規制に見せるフランスの頑固な姿勢をこんなところでも垣間見た様な気がします。

 ここにもう10年以上本国から来て住んでいると言うFM5SCに話を聞きましたが
物価はやはり多くをフランスから輸入する関係で本国より2割は高いとの事、また教育問題では彼の二人の娘は高校になったら本国の学校へ行かせる、との事。

 島での居心地は悪くは無いが女房はやはり「パリへ帰りたい。」と言う。

このことはハム仲間から「あいつはトランシバーと結婚した、毎晩いじってやらないと気がすまない。」と仲間に冷やかされるアマチュア無線大好きなDX狂FM5WD/ルシアンも同じでした。(何処の国でもそんな人はいるのですね。)本人は呼ばれるカリブに居たいのですが奥さんは好きでなさそうです。

 そのルシアンは高校の数学の先生です、彼は5Band WAZを狙っていますが「KH5は一晩中呼んだが取れなかった、ここからだとアジア、太平洋はWの壁が厚い、なぜ一言QRZ?カリビアン?と言ってくれないのだ。」 とJAとまるで逆なことを言われました。

 まさにところ変われば品変わる。 逆転の思想です。


いよいよ
⑫最終回へ


アワードが壁に FM5WD



空から見ると